月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
初 診 |
|
|
|
||
再 診 |
|
|
|
|
|
※ただし、祝日および当院の休診日は除きます
血液内科では、血液疾患全般の診断・治療を行っています。血液疾患は貧血や異常出血をはじめ、発熱、リンパ節腫脹などで発症することが多いですが、特に症状はなく血液検査のみの異常で見つかる患者様もいらっしゃいます。
当科では、さまざまな血液悪性腫瘍の診断・治療を行っており、急性白血病、慢性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫や成人T細胞白血病の治療などで全国の臨床治療研究に参加し、治験も行っています。また、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫などに対する、自家末梢血幹細胞移植や、白血病をはじめとする血液疾患に対して同種造血幹細胞移植を行っています。2022年からCAR-T療法も行っています。病棟は無菌室8床と準無菌室8床を有しており、造血幹細胞移植時や急性白血病などの治療にあたっています。また、血液悪性腫瘍以外でも、貧血、血小板減少、止血、凝固異常をきたす疾患など血液に関わる疾患について幅広く診療を行っています。
移植療法やCAR-T療法といった高度医療、臨床治療、研究、治験を主に診療を行っており、慢性期や、いわゆる緩和治療期にあたる患者様にはお近くの血液診療可能な医療機関へ紹介しています。
当科では、血液疾患の治療に際し、患者様とご家族へ十分なご説明を行い、ご理解とご協力をいただいた上で治療を行っています。
貧血全般、溶血性貧血、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群など
急性白血病、慢性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、成人T細胞白血病など
多血症、骨髄線維症、血小板増多症など
血友病、血小板減少性紫斑病、播種性血管内凝固症候群など
ALアミロイドーシス
採血と骨髄穿刺を行うことで、末梢血や造血の場である骨髄中の細胞数や形態を調べさせていただきます。これら血液形態学的検査に加えて、特殊染色、細胞表面マーカー、血液細胞にふくまれる染色体や遺伝子の検査を組み合わせることで確定診断を行っていきます。
悪性リンパ腫、成人T細胞性白血病などの、リンパ球系の疾患においては、腫大したリンパ節を一部採取し、病理組織検査を行うことに加えて、CT、MRI、FDG-PET等の各種画像検査を併用して病変の広がりを評価し、確定診断と治療方針を決定します。
国内外のエビデンス(科学的根拠)や各種ガイドラインに基づいた、いわゆる標準治療を行う事を基本としています。また本邦からのエビデンスを発信すべく様々な臨床試験や新薬の治験も積極的に行っています。同種造血幹細胞移植も年間20件前後実施しています。
複数の抗がん剤を組み合わせた強力な多剤併用化学療法による治療が基本となります。さらに病型、リスク因子などに基づき同種造血幹細胞移植の適応を検討します。合併症をお持ちの方など、強い化学治療が困難な場合には、体力に応じた治療法を工夫しております。
近年は抗体薬や分子標的薬も用いられるようになり、治療リスクを軽減することが可能となってきました。また当科はJALSG(日本成人白血病治療共同研究グループ)に参加している施設で、新規治療の開発、共同研究も行っております。
慢性骨髄性白血病は、分子標的治療薬であるチロシンキナーゼ阻害薬にて大幅な生命予後改善が得られるようになりました。基本的には外来での治療管理を行っております。国内外の多施設共同臨床試験にも参加しています。慢性リンパ性白血病では抗体療法と抗がん剤の組み合わせや、チロシンキナーゼ阻害薬による治療も行っています。
この数年間で様々な新薬が使用できるようになりました。従来からの(殺細胞性)抗がん剤だけでなく、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬(レナリドマイドやサリドマイドなど)、抗体薬の登場で生命予後の大きな改善が得られるようになりました。また比較的若年の方には、自家末梢血造血幹細胞移植を併用した大量化学療法も行っております。アミロイドセンターと協力し、ALアミロイドーシスの治療も行っています。
悪性リンパ腫には様々な組織型が存在し、それぞれに応じた標準治療を行っております。抗体療法(リツキシマブ、モガムリズマブなど)や自家末梢血造血幹細胞移植を併用した大量化学療法の経験も豊富です。成人T細胞白血病に対しては、同種造血幹細胞移植を行っています。2022年度より症例数は限られますが、再発難治例に対してCAR-T療法が可能になりました。
また、当科はJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)参加施設でもあり新しい標準治療の確立と進歩を目的として様々な研究活動(多施設共同臨床試験)を行っています。
当科は血液系の腫瘍に関しては、化学療法(抗がん剤治療)と造血幹細胞移植を専門とする診療科です。しかし、集学的治療といって放射線治療や手術療法が必要となる場合もあります。その際は各診療科と連携をとり治療にあたらせて頂きます。
悪性リンパ腫や多発性骨髄腫では、入院で治療導入を行った後、外来化学療法への移行も積極的に行っております。
再生不良性貧血、赤芽球癆、溶血性貧血、発作性夜間ヘモグロビン尿症など多くの難治性貧血に関して、厚生労働省の調査研究班からの参照ガイドに準拠した診療を行っております。新規治療薬の導入も積極的に行っており、分子標的療法、生物学的製剤なども使用可能にしております。
凝固線溶系疾患は血液疾患の中でも希少な分野とされておりますが、当科では凝固線溶系疾患を専門とする医師が在籍しており、これらの疾患に対する診断、治療、院内外からのコンサルティングを受けております。
入院ベッド数などには限りがございますが、幸いなことに熊本市内、熊本県内には当科出身の医師やご協力を頂いている関連施設が多数ございます。緊密な連携をとりながら診療にあたらせて頂いております。
医学の急速な発展に伴い、新規薬剤も次々と登場しております。欧米で使用可能な薬剤が国内で未承認であるなど、いわゆるドラッグラグ(外国では使用されているのに日本国内での採用が遅れていて使用できないこと)の問題なども生じており、血液疾患でも例外ではございません。当科においては治験など特殊な例を除き、基本的には国内の保険診療に準拠した治療を行っております。