熊本大学病院も、2006年8月都道府県がん診療連携拠点病院に指定され、熊本県のがん診療の中心病院として機能していくことが求められています。そのため、本院内に全人的な高い質のがん医療の提供を目的として2006年6月「がん診療センター」が設置(2009年5月がんセンターに改組)されました。がんセンターのミッションは①本院で集学的がん治療を実施する体制の整備、②熊本県内の各地域病院の医療従事者に対するがん治療の教育および啓発、③がん登録の実施支援であります。
2014年の厚生労働省健康局通知に基づき、これまでの緩和ケアチームから緩和ケアセンターへ改組が行われ、それに伴い、外来化学療法センター、がん相談支援センター、がん登録センターへと名称、組織が変更となりました。 また、2020年4月よりがんゲノムセンターも設置され、がん診療の質の向上に取り組んでおります。
悪性腫瘍に対する薬物療法の多くは、外来で施行可能となりつつあります。薬物療法の進歩によって以前より長い延命を得ることが可能となったことで、「治療を行いながら充実した人生を送る」ためには、外来での通院による薬物療法は重要なポイントです。私達は、外来での薬物療法を「より安全に、より快適な環境で、より短い時間で」という患者さんの要望に応えるために、2006年4月から外来化学療法センターを開設いたしました。がん化学療法看護認定看護師を含む11名の専従看護師とがん看護専門看護師の資格を有する1名の専任看護師長、クラーク2名、外来がん治療認定薬剤師を含む2名の専任薬剤師、がん薬物療法専門医・指導医の資格を有する医師を含む2名の専任医師の18名体制でより専門的で安全な治療を心がけています。
患者さんにできるだけ快適に治療を受けていただくため、ベッド12床、リクライニングチェア8床を設置しています。各ベッドには、テレビを設置しています。(テレビカードは不要です)
【外来化学療法センターHP】
https://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/dept/c18a.html
【がん相談支援センターホームページ】
https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/gansoudan/
がんセンターでは、厚生労働省が定める標準登録様式に基づく院内がん登録を実施するために「がん登録センター」を設置いたしました。登録されたデータは集計の上、国のがん対策基礎資料を始め診療活動の支援、研修、教育のために役立てています。また、国立がん研究センターへの院内がん登録データ提出、国(熊本県)への全国がん登録、地域がん登録データの提出、熊本県がん診療連携協議幹事会がん登録部会への情報提供なども実施しております。
【がん登録センターHP】
https://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/cmc/center/tourokushitsu.html
【熊本県がん診療連携協議幹事会がん登録部会-統計資料掲載HP】
https://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/cmc/cancer/bukai.html
【緩和ケアセンターホームページ】
https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/palliativecare/
がんゲノムセンターは、「がん遺伝子パネル検査」を実施する窓口となり、患者さんのがん細胞を用いたゲノム解析(変異している遺伝子を探すこと)を行うことによって、一人ひとりのがん患者さんに最も適した治療の情報を提供することを目的に開設されました。
当センターにはゲノム医療を支えるスタッフが在籍し、各診療領域と連携しつつ、がんゲノム情報に基づいて治療法について検討し、主治医や患者さんに提案します。当院は「がんゲノム医療連携病院」として、がんゲノム医療中核拠点病院と連携しております。
【がんゲノムセンターHP】
https://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/dept/e10.html