2006年に、「がん対策基本法」(2007年施行)が制定され、この法律の規定に基づいた「がん対策推進基本計画」が作成されております。2023年には第4次がん対策推進基本計画も作成され、さらに総合的ながん医療対策が取り組まれています。
熊本大学病院は2016年(平成18年)に厚生労働大臣より都道府県がん診療連携拠点病院として指定されました。現在もがん治療の中心的な役割が求められております。集学的かつ専門的ながん医療を提供し、地域連携として協力する体制を構築し、さらには患者さんやご家族に対する相談支援、情報提供を充実するよう努めております。そのような取り組みのもと当センターは、外来化学療法センター、がん相談支援センター、がん登録センター、緩和ケアセンター、がんゲノムセンターの5センターを設置し、がん診療の質の向上に取り組んでおります。
悪性腫瘍に対する薬物療法は多岐にわたるようになり、外来で施行することも増加しています。薬物療法の進歩により長期にわたって病気をコントロールすることが可能となり、外来での通院による治療の重要性は益々増しています。私達は外来で行う薬物療法を「より安全に、より快適に」ということをモットーに2006年から外来化学療法センターを開設しています。がん薬物療法専門医、指導医の資格を有する医師を含め2名の専任医師、がん看護専門看護師の資格を有する看護師長、がん化学療法看護認定看護師を含む13名の専従看護師、外来がん治療認定薬剤師を含む専任薬剤師2名、クラーク3名の21名の体制で専門的な安全性な治療を心掛けています。
患者さんにはできる限り快適に治療を受けていただくために12台のベッド、8台のリクライニングシートにそれぞれテレビモニターを設置し、ご自由にご視聴できるようにしています。治療中の患者さんがくつろいでいただける環境を用意しています。
【外来化学療法センターHP】
https://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/dept/c18a.html
【がん相談支援センターホームページ】
https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/gansoudan/
厚生労働省が定める標準登録様式に基づく院内がん登録を実施するために、がんセンター内に「がん登録センター」を設置しております。登録されたデータは集計の上、国のがん対策基礎資料を始め診療活動の支援、研究、教育のために役立てています。
また、国立がん研究センターへの院内がん登録データ提出、国(熊本県)への全国がん登録、地域がん登録データの提出、熊本県がん診療連携協議会幹事会がん登録部会への情報提供なども実施しています。
【がん登録センターHP】
https://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/cmc/center/tourokushitsu.html
【熊本県がん診療連携協議幹事会がん登録部会-統計資料掲載HP】
https://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/cmc/cancer/bukai.html
【緩和ケアセンターホームページ】
https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/palliativecare/
がんゲノムセンターは「がん遺伝子パネル検査」の窓口となっております。患者さんのがん細胞を用いたゲノムの検査を行い、解析した結果をもとにお一人お一人に適した治療についての情報を提供することを目的としております。
現在、当センターにはゲノム医療を支えるスタッフが在籍しており、各診療領域と連携してがんゲノム情報に基づいた治療法を検討し、患者さんや担当医師に提案しております。2023年4月より「がんゲノム医療拠点病院」に指定され、活動を行っております。
【がんゲノムセンターHP】
https://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/dept/e10.html