病院について

病院長あいさつ

2023年4月1日

熊本大学病院長 馬場 秀夫

 皆様には、常日頃より、熊本大学病院へのご理解とご支援を賜りますことに、心よりお礼申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延から3年以上が経過し、第8波もようやく収束して5月8日にはいよいよ感染症の5類になることが決まりました。これまでは、さまざまな社会・経済・教育活動が制限され、医療現場においても感染者への対応に加え、職員が感染あるいは濃厚接触者となり出勤できないなどの理由から医療者への負担も想像以上であったことと思います。今後は入院・外来共に幅広い医療機関で対応していくこととなります。熊本大学病院としてもこれまで同様、地域の要請を受けコロナ感染の重症患者を中心に、積極的に治療を行って参る所存です。各医療機関や行政、医師会とも連携し、地域住民の健康と福祉を守る役割をしっかりと果たしていきたいと考えております。

 熊本大学病院の理念は「高度な医療安全管理によって、患者本位の医療を実践し、医学の発展及び医療人の育成に努め、地域の福祉と健康に貢献する」となっています。本院は、熊本県で唯一の特定機能病院であり、常に地域医療の中で最後の砦としての役割を担っております。患者・家族の皆様方の声に真摯に耳を傾け、高度な医療安全管理体制の下、先進的な医療に取り組み、地域住民の皆様の福祉と健康に貢献できるよう、全職員が一丸となって取り組んでいるところです。

 本院では、国内でも最高レベルの医療を常に提供できるよう、移植医療センター、がんセンター、がんゲノムセンター、高度医療開発センターなどを設置するとともに、手術支援ロボット、ハイブリッド手術室や新生児用救急車を導入し、最先端の医療環境を整備しております。

 大学病院は高度な先端医療の臨床教育拠点として、専門知識・技能、国際的視野を有し、未来型社会や地域医療で活躍できる優れた医療人を養成するとともに、超高齢化、新興感染症、激甚災害など急激な医療ニーズの変化に対応できる医療人を育成し、地域医療を支えるための人的交流や支援を積極的に行っています。院内に地域医療支援センター、災害医療教育研究センター、新興感染症対策寄附講座を設置し、総合診療医の育成と派遣、災害医療や新興感染症に従事する医療人の教育にも力を入れております。

 更に、現在はまだ診断や治療が困難な病態に関して研究にも力を入れ、新しい診断・治療法を開発し、医学・医療の発展に寄与し、国内外に新しい情報を発信していきたいと考えております。

 今後も病に侵され心身ともに辛い思いをされている患者様とそのご家族の思いに応えるべく、最良の医療が届けられるように全職員がONE TEAMとなって誠心誠意、努力して参る所存です。今後とも何卒よろしくお願いします。