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がんゲノム検査外来

診療科等案内

お問い合わせ
医療サービス課 地域・がん医療連携担当 がんゲノムセンター
電話
096-373-5643
FAX
096-373-5828

がんゲノム検査とは

目 的

遺伝子パネル検査を行い、ご自身のがん細胞のゲノム解析(変異している遺伝子を探すこと)を行うことによって、一人ひとりのがん患者さんに最も適した治療の情報を提供することを目的とします。

対象となる方

下記1と2の両方を満たす方が対象になります。

  1. 下記いずれかの診断を受けた方
    • 標準治療が終了になった(あるいは終了が見込まれる)固形がん(血液のがんは除く)の患者さん
    • 原発不明がんの患者さん
    • 希少がん(年間発生件数が人口10万人あたり6人未満のがん)の患者さん
  2. 全身状態、臓器の機能などから、本検査実施後に検査結果をもとに化学療法が実施できると主治医が判断した方。

がんゲノム検査外来をお受けできない場合

  • 診療情報提供書およびがん組織の検体を提出出来ない方。
    ※がんゲノム検査に用いる組織標本は、原則として、現在おかかりの医療機関で保管されているものを当院へ提出していただくことになります。(リキッドバイオプシーの場合には、組織採取や採血は不要です。)
  • 患者さんご本人が受診できない場合。

検査費用の目安

◇がんゲノム検査説明料(自由診療):11,000円(税込み)(検査申込みの有無、検査の種類に関わらず必要となります。)
現在当院で行っている遺伝子パネル検査
《保険診療》

◇Oncoguide NCCオンコパネル

◇FoundationOne CDx

◇FoundationOne Liquid CDx
検査費用 56,000点(検査提出時 44,000点、説明時 12,000点)
※保険診療のため、患者さんの自己負担割合によって費用が変わります
※その他、診察料、診断料などが別途必要です
※上記費用には、検査後の治療のための費用は含まれません

《自由診療》

プレシジョン検査【PDF 5.5MB】
検査費用 412,000円(場合により金額が異なります。)
※自由診療の場合、同日の診療はすべて自費となります
※上記費用には、検査後の治療のための費用は含まれません


受診方法

完全予約制となっています。
患者さんからの直接予約は受け付けておりません。 必ずかかりつけ医の医師(現在治療をお受けの医療機関)から、熊本大学病院がんゲノムセンターを通じて予約をお願いします。
当院受診中の方は主治医に相談し、外来受診の予約をお願いして下さい。
なお、保険診療での検査の対象になられるかどうかは、主治医からの紹介状を確認したうえで、がんゲノム検査外来受診時に判断させていただきます。また、本検査は、院外・院内の患者さんに関わらず、外来でのみ受け付ける検査であることを申し添えます。

診察日:木曜日午前中 (他の曜日については要相談)

※がんゲノム検査外来の検査の流れや費用などについてのご質問は、熊本大学病院がんゲノムセンター(TEL:096-373-5643)にお問い合わせください。


外来受診の流れ



検査後の流れ

  • 変異していた遺伝子の種類によっては、遺伝カウンセリングを受けていただくことをおすすめする場合があります。(遺伝カウンセリング料が別途必要です。)
  • 検査後の治療に関しては、原則として紹介元の医師とご相談いただきます。

お知らせしたいこと

重 要

  • がんゲノム検査の結果に基づく治療は、全ての標準治療が終了したあとの選択肢として考慮して下さい。
  • がんゲノム検査の結果、効果が期待される薬剤の情報が得られた場合は、「保険診療」のほか、当院もしくは他院において「自由診療(適応外使用を含む)」・「先進医療(保険診療と自己負担との並行による治療)」・「治験や臨床試験」のいずれかにより治療を行う場合があります。このような場合、治療費が高額となることがあります。
  • 検査に用いるがん組織や血液の状態によっては、がんゲノム検査を行っても、遺伝子変異情報が得られない場合があります。
  • がんゲノム検査を実施しても、有用な情報が得られない場合があります。
  • がんゲノム検査の結果に基づいて治療を行っても、治療効果が得られない場合もあります。

患者さんのご紹介をお考えの医師、並びに医療機関の関係各位

〈ご紹介にあたりご留意いただきたいこと〉

  1. ご紹介いただく患者さんは、標準治療後あるいは終了の可能性が高い固形がんの患者さん、もしくは希少がん・原発不明がんの患者さんであり、PSが0~1の方に限らせていただきます。検査申込から検査結果通知の準備が整うまで、おおよそ2ヵ月程度かかります。特に標準治療に抵抗性となった患者さんは予後が厳しいケースも多いため、この点についても十分ご留意ください。
  2. 検査後の治療費は上記金額に含まれておらず、適応外の薬剤を用いる場合には、通常高額の薬剤費を含めた医療費が必要となります。

  3. 病理組織検体によるがんゲノム検査にはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)標本(未染スライド標本)が必要ですが、ブロックでお借りできましたら当院にて必要量をスライド作成後、残りは返却させていただきます。(検体につきましては下記「がんゲノム検査で使用する検体(FFPE)について」をご覧ください)
  4. リキッドバイオプシーは、検査に使用できる組織検体のない場合に限ります。申込時に詳しい状況をお知らせ下さい。
  5. 検査後の治療に関しても、原則としてご紹介元の医療機関にお願いしております。ご不明な点がございましたら下記までお問い合わせください。

〈申込み方法〉

    院内よりお申込みの場合
  1. がんゲノム検査外来診療申込書(PDF 109KBWord 26KB)をご記入いただき、主治医より当院医療サービス課へFAXでお送りください。
    FAX:5828
  2. 電子カルテにて他科依頼をオーダーしてください。(テンプレート有り)
    → がんセンター/松井啓隆(がんゲノム)宛
  3. 患者さんへ、同意書・事前調査票(PDF 196KBWord 21KB)をお渡しいただき、がんゲノム検査外来受診日に持参されるようお伝えください。
  4. (組織検査の場合)検体の腫瘍細胞割合等を事前にチェック後、外来予約をお取りいたします。
    他医療機関よりお申込みの場合

    「がん遺伝子パネル検査目的の当院受診について(PDF 1.0MBWord 49KB)(※1)」をダウンロード後、ご一読いただき、以下の手順でお申込みをお願いいたします。

  1. 「がんゲノム検査外来 診療申込書」と「診療情報提供書」の2点を、医療機関からがんゲノムセンターまでFAX送付してください。
    宛先:熊本大学病院 がんゲノムセンター(医療サービス課)
    FAX:096-373-5828
  2. 上記1の各原本と、他必要 書類(※1参照)および病理組織標本(HE染色スライドおよびブロック)をご郵送ください。(リキッドバイオプシーの場合には組織標本は不要です。)
    宛先:熊本大学病院 がんゲノムセンター (医療サービス課)
    〒860-8556 熊本市中央区本荘1-1-1
  3. 提出いただいた検体の腫瘍細胞割合等を事前にチェック後、外来予約をお取りいたします。
  4. 外来予約完了後、検査のオーダーおよびC-CATへの登録に必要な情報のご提供をお願いいたします。(当院担当者より主治医の先生へ依頼させていただきます。)

がんゲノム検査で使用する病理組織標本(FFPE標本)について

  • ゲノム解析(DNA抽出)用:
    術検体の場合:未染色標本 10 枚(厚さ 10um)
    生検組織の場合:パラフィンロール (厚さ10 ㎛で5-6 枚、まとめてチューブに入れてください)
    ブロックでご提供いただければ、当院で標本を作成いたします。
  • 病理組織診断用:HE染色標本 1枚
    免疫組織化学染色用未染色標本(厚さ 3~4 μm、コーティングスライドをご使用ください)10枚
    注)診断確定が困難である場合には、提出いただく標本を追加いただく必要が生じることがあります。
  • 切り出しは腫瘍細胞がなるべく多く含まれている部位を選択してください。
    ※腫瘍細胞が50%以下でも検査できることがありますが、腫瘍細胞の割合が少ないと精度が低くなります。一般には最低20%の腫瘍細胞割合が必要とされています。 当院でもHE染色標本で評価いたしますが、検体が検査に適さないと判断された場合、検査をお断りする場合があります。
  • 中性緩衝ホルマリン以外(緩衝作用のないホルマリン,酸性ホルマリン)で固定されたもの,ホルマリン固定時間が長いもの(48時間を超えるもの)や、古い検体(5年以上経過したもの)は核酸の状態が悪く、検査ができない可能性が高くなります。
    ※組織標本の固定に関して、詳しくは「ゲノム診療用病理組織検体取扱規程」(日本病理学会)をご参照ください。
  • 上記検体がない場合、新たに検体採取が可能な病変があれば、検査可能な場合があります。
    ※がんゲノム検査外来では検体採取を行っておりません。紹介いただく医療機関にて採取いただくか、もしくは予め当院の担当診療科に患者さんをご紹介いただくようお願い致します。

 

がんゲノムセンター

スタッフと専門領域

松井 啓隆
センター長
分子遺伝学やがんゲノム医療を専門とする医師
【臨床病態解析学講座 教授】
野坂 生郷
がん薬物療法を専門とする医師
【外来化学療法センター 教授】
宮本 英明
がん薬物療法を専門とする医師
【消化器内科 特任助教】
猿渡 功一
がん薬物療法を専門とする医師
【呼吸器内科 助教】
武笠 晃丈
臨床遺伝専門医
【脳神経外科 教授】
大場 隆
臨床遺伝専門医
【産科 准教授】
佐々木 瑠美
臨床遺伝専門医
【婦人科 助教】
柊中 智恵子
認定遺伝カウンセラー
【大学院生命科学研究部 准教授】
本田 由美
病理を専門とする医師
【病理部 助教】
川上 史
病理を専門とする医師
【病理部 特任助教】
岡本 泰子
がんゲノム医療コーディネーター
【看護部 看護師長】
中村 純平
がんゲノム医療コーディネーター
【薬剤部 薬剤師】
三宅 俊介
がんゲノム医療コーディネーター
【薬剤部 薬剤師】
山ノ内 祥訓
がんゲノム医療に関するゲノム情報を取り扱う職員
【総合臨床研究部研究データ管理センター 特任助教】
甲斐 あずさ
がんゲノム医療に関するゲノム情報を取り扱う職員
【医療サービス課 事務補佐員(ゲノムメディカルリサーチコーディネーター)】
政 賢悟
治験等の調査を行う薬剤師
【薬剤部 副薬剤部長】
西口 由梨亜
治験等の調査を行う薬剤師
【薬剤部 薬剤師】
稲田 浩気
エキスパートパネルに参加する医師
【消化器内科 医員】
診療科・部門