近年、医療機関における医療事故の発生が社会問題としてメディアに取り上げられ、国民の関心が高まっています。本院においても、医療事故の防止に向けて日夜病院を挙げて取り組んでいます。特に大学病院においては、高度医療を提供する使命がある反面、医療経済の上から効率的な医療が求められていますが、まず、患者様の安全を第一に考え、患者様の視点に立った医療を心がける必要があります。
医療事故防止の基本的な考えとして「人は誰でも間違える」ということを常に念頭におき、エラーを起こさない医療環境を作ることが大切です。すでに起こったエラーについては、これを糧としてエラーを未然に防ぐより安全な医療システムを病院全体として確立することが重要です。このように、医療安全を基本として医療の質を総合的に高め、継続的に医療提供体制等の改善に取り組むことで、患者様と医療者が手を取り合い共に満足できる医療を目指しています。
平成14年度に医療安全管理部を設置しました。ゼネラルリスクマネージャー(以下「GRM」と略す)が、病院全体の事故防止・安全管理に従事し医療事故の防止、医療の安全性の向上及び安全管理に関する業務を行っています。平成27年度より医師GRMの配置と看護師GRMの増員、更に平成28年度より薬剤師GRMを配置しました。平成29年度から、組織を改編し、臨床心理士が加わり医療の質・安全管理部となりました。平成30年度より医師GRM を増員し多職種体制で安全・安心な医療の実施に努めています。平成31年4月に専従の医師が部長となり、令和2年度に臨床工学技士が1名増員され、令和3年4月に医療の質・安全管理部部長が併任で医療安全管理責任者となり統括しています。また、臨床工学技士も加わり更に医療機器安全管理にも取り組んでいきます。