臓器移植法の改正を契機に、臓器移植医療の一般化が進んでいます。本院は、従来、献腎移植の実施認定施設でしたが、生体肝移植の実績蓄積と2010年の法改正を機に、新たな脳死肝移植実施施設の一つとして認定を受けました。2024年4月末現在、生体肝移植を609例、脳死肝移植を16例経験しています。さらに、脳死小腸移植の実施認定施設にもなっております。移植医療は、単に患者さん一人の医療にとどまらず、必ずドナーが必要であり、また複数の診療部署や施設間の協力が不可欠です。このような背景から、平成23年度(2011年度)から本院に「移植医療センター」の設置が認められ、正式に発足し、現在に至っております。
センターの事務室は、外来棟4階にあります。兼任のセンター長と専任教員が任命されており、また、看護師から転任した専任のレシピエント移植コーディネーターが、本院で行われる臓器移植のコーディネーションを担っております。移植後の患者さんはもとより、生体移植後のドナーの健康管理や、種々の相談にも応じております。今まで行われていた単一診療科での移植医療をよりきめ細やかに行うよう調整し、長期も含めた移植医療の安全性と信頼性をより高めることがこのセンターの特長です。