当院 消化器内科は、地域医療の中核を担い、九州・熊本から全国へと広がる高度医療を提供しています。消化器疾患の早期発見・治療において九州トップクラスの実績を誇り、患者様一人ひとりに寄り添った最適な治療を追求しています。以下、私たちの主要な強みをご紹介します。
内視鏡治療は患者様の負担が少ない最先端の治療法であり、当院では専門性の高いチームが質の高い診療を行っています。
特に、食道がんに対する「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」では九州内トップクラスの症例数を誇り、熟練した医師が患者様に合わせた安全かつ効果的な治療を提供しています。この治療法はがんの根治を目指しながら、患者様の日常生活への影響を最小限に抑えます。
十二指腸腫瘍や咽頭がん治療では、内視鏡と外科手術を組み合わせた「腹腔鏡内視鏡合同手術(D-LECS)」や「経口的内視鏡的咽頭喉頭手術(ELPS)」を採用しています。これにより、患者様の身体的負担を軽減しつつ、安全で高精度な治療を実現しています。当院はこれらの治療において、県内最多の実績を誇ります。
超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を活用し、胆膵腫瘍の精密診断を迅速に行います。この技術により、早期診断と最適な治療計画の立案を可能にし、多くの患者様に信頼をいただいています。
肝臓の病気は、適切な治療で生活の質を大きく向上させることが可能です。当科は豊富な経験と最先端の知識を駆使し、肝疾患治療を推進しています。
当科では年間500症例以上の肝細胞がんの入院治療を行っています。免疫チェックポイント阻害剤(アテゾリズマブ+ベバシズマブ、デュルバルマブ+トレメリムマブなど)や分子標的治療薬を駆使し、個々の患者様に最適な治療を提供しています。また、肝動注化学療法などの先進的治療法も積極的に取り入れ、患者様の命を守るために日々取り組んでいます。
熊本県唯一の肝疾患診療連携拠点病院として、肝疾患相談室の設置、多職種による患者支援、医療従事者向け研修会や一般市民向けの公開講座を開催。これらの活動を通じて、患者様と地域社会をつなぐ重要な役割を果たしています。
当科では、最新の研究成果を日常診療に応用し、医学の未来を切り開く取り組みを進めています。
B型肝炎撲滅を目指した創薬研究と臨床応用に注力しており、最新のグローバル臨床試験を複数実施しています。また、AMED創薬研究を通じてB型肝炎治療薬の開発に注力しており、3万種類の化合物からB型肝炎ウイルスの遺伝子と蛋白を効果的に減少させる「SAG-524」を開発しました。これにより、より効果的で安全な治療法の確立を目指しています。
胆膵がんや炎症性腸疾患における新たな診断・治療方法の開発を進めています。また、AI技術を活用した口腔内解析で食道がんリスクを予測する研究も行っており、未来の医療の礎を築いています。
私たちは、地域の皆様の健康を支える存在として、患者様に寄り添いながら、最先端医療を提供し続けます。また、医学の進歩と実用化を通じて、より多くの患者様に安全で効果的な治療を届けることを使命としています。
「患者様の命と生活の質を守るために、これからも熊本大学消化器内科は挑戦し続けます。」
〈この記事は2025年1月1日時点の情報です〉