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特色と取り組み/耳鼻咽喉科・頭頸部外科

耳鼻咽喉科・頭頸部外科における低侵襲唾石治療について

唾液腺唾石症

 唾液は耳の前にある耳下腺や下顎の内側にある顎下腺で作られ、口腔内に排出されます。唾液腺内や腺管内に唾石が生じると唾液の流出が妨げられるため食事の際の唾液腺腫脹、疼痛、それに続発する感染をきたします。唾石症の多くは顎下腺に発生し耳下腺は数%程度と言われています。
 顎下腺の開口部付近の唾石は口腔底粘膜を切開して摘出可能(口内法)な例もありますが、顎下腺近くの唾石はこれまで外切開による顎下腺摘出術が行われていました。この術式では皮膚切開を置かざるを得ず、また顔面神経下顎縁枝(口角を上げる神経)の麻痺を生じる可能性も稀ながらあるため、手術に踏み切れない患者様も多くおられました。

唾液腺内視鏡下唾石摘出術

 唾液腺内視鏡手術は唾液腺管の開口部から極細の内視鏡を挿入します。モニターを見ながら唾石を確認し、特殊な鉗子等を用いて摘出します。サイズの大きな唾石の場合にはレーザーを用いて細かく破砕して摘出することもあります。
 唾液腺内視鏡手術は九州内では当院でのみ行われております。当院では2014年10月より50例を超える症例に本術式を実施しており、「入院期間が短い」「痛みが少ない」「皮膚切開せずに摘出できた」など特に小児や女性の患者様から喜びの声を頂いております。

 

 

〈この記事は2025年1月1日時点の情報です〉

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