熊本大学病院
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平成26年度 熊本大学医療活動表彰式を行いました

2014年11月11日(火)に、「平成26年度 国立大学法人熊本大学医療活動表彰式」を行いました。

医療活動表彰は、医学部附属病院において行われる医療活動に関し、優れた取組みを行っている職員を表彰し、その努力に報いるとともに、当該取組みの成果を学内に公表することにより、医療活動の一層の改善に役立てることを目的としています。

今回は、医学部附属病院長から学長へ推薦のあった4件の医療活動が評価され、40名の方々が表彰されました。なお、表彰者、取組内容等については、下記「平成26年度国立大学法人熊本大学医療活動表彰一覧」をご覧ください。

平成26年度 国立大学法人熊本大学医療活動表彰一覧

アミロイドーシス診断の先進医療への貢献から診療体制構築事業に至る取組み

アミロイドーシスは、アルツハイマー病やプリオン病などの脳アミロイドーシスに加え、熊本に世界的な患者フォーカスのある家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP) や老人性全身性アミロイドーシス(SSA)、多発性骨髄腫に伴って起こるALアミロイドーシス、リウマチに伴って起こるAAアミロイドーシスなど多岐にわたる。本プロジェクトでは、本疾患の総合診断システムを神経内科、中央検査部に構築し、高度先進医療に申請すると共に、全国からの診断依頼に答え、患者を治療に導いてきた。本院の先進医療への貢献と共に、これまで診断のつかなかった多くのアミロイドーシス患者を診断し、治療方針を明示し、救命やQOLを改善してきた功績は多大なるものがある。

安東由喜雄、山下太郎、植田光晴、三隅洋平、大林光念
師長を加えたシニアスタッフミーティング・医局会運営と医師・看護師の優れたチームワーク

血液内科・膠原病内科・感染免疫診療部 (第二内科) は、満屋教授赴任以来17年にわたり、准教授、医局長、病棟医長、外来医長、病棟師長をメンバーとしたシニアスタッフミーティング(SSM)を2~3か月ごとに定期的・不定期的に開催、また師長は毎週の医局会に出席(師長不在の際は副師長が代理出席)、看護の立場からの意見と連絡を確実にしてきている。かくしてSSM・医局会ではその時々の病棟・外来診療における問題点の抽出と解決手段の検討、意思疎通を進めてきている。第二内科での医師と看護師の優れたチームワークは1997年からの師長を加えたSSM・医局会の運営に負う所が大きい。熊本大学医学部附属病院の他の診療科で師長を診療科の管理・運営に加える等の態勢は見当たらず、今後の診療科の管理・運営モデルとして、顕彰に値するものと強く推薦したい。

満屋裕明、奥野豊、星乃光有、平田真哉、川口辰哉、宮川寿一、塘田貴代美
入院患者の夜間排尿行為を減らすことはできるか?

入院患者の転倒転落の要因として就寝後の夜間排尿行為があり、特に高齢者ではリスクと考えられる。夜間に十分覚醒できていない状態でのトイレまでの歩行移動は大変危険である。夜間尿の原因は不明であり、男性高齢者に見られる前立腺肥大による膀胱刺激症状などが一般的に考えられているものの、少なくとも一元的には解決できない問題である。一方、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング目的で、メモリー機能付き酸素飽和度モニタ(PULSOX-Me300)が最近使用できるようになった。これは就寝中に患者の手指に装着するだけで、就寝中の酸素飽和度や心拍数の経時的変化を容易に記録できるものであり、特に前値からの酸素飽和度の低下を示す酸素低下指数(ODI)を測定できる点で大変有用性が高いと考えられる。本研究の目的は、夜間排尿行為が就寝中の酸素飽和度の低下と関係することを明らかにし、夜間の転倒転落対策を見いだすことである。 循環器内科に待機的に入院した全患者において、本研究の同意が得られた患者を対象とする。方法としては、就寝前に担当看護師または技師が患者の右手第3指にPULSOX-Me300を装着し、電源を入れ、翌朝看護師がPULSOX-Me300をはずし、担当技師が解析する。入院時にルーチンで行う採血検査や心エコー検査、夜間排尿回数などを含む看護データなどとPULSOX-Me300で得られた結果を比較検討する。PULSOX-Me300の結果を患者に説明し、SASが疑われる場合にはさらにPSG検査を行う。PSGで無呼吸低呼吸指数(AHI)が20以上である場合には陽圧呼吸療法(CPAPなど)を検討し、夜間排尿回数が減少するかなどを観察する。期待される効果としては、循環器領域においてSASがどの程度潜んでいるか、またその病的意義、SASの治療介入の必要性を医療チームとして認識できるものと考えられる。また、陽圧呼吸量法導入により心イベントのリスク軽減につながり夜間頻尿が改善できるのであれば、入院患者の夜間の転倒転落を防止するのみならず、夜間頻尿のメカニズムの一端を明らかにできることが期待される。

小島淳、宮﨑貴志、野口沙矢香、小島美紀、中尾恵、山本嘉代、小川久雄
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